労務・人材活性化

クリニック経営の成功は『買い手目線』にあり!

経営VOL.156

突然ですが、今年、AMCパートナーズ株式会社は創業20年を迎えました。これも、ひとえにご愛顧頂いたクライアントの皆様やご協力頂いたアライアンスの皆様のおかげです。

この場をお借りして感謝の意を表したいと存じます。

さて、今号にて、なぜ冒頭このようなご挨拶をさせて頂いたかと申しますと、時の流れは早いもので、創業当初からお付き合い頂いている当時40代~50代だった先生方も、あれから20年経過し、最近、話題が『事業承継』であることが多くなり、また、弊社クライアント以外の先生方からも、事業承継に関するご相談が多くなってきましたので、創業20年を機に、皆さんが潜在的に悩んでおられる「事業承継」について整理させて頂きたいと考えたからです。
人生100年時代とはいえ、100歳まで診療する訳ではありません(例外の先生もおられるかも知れませんが…)。また、ご自身の代限りでの閉院を決めておられる先生以外は、いつか誰かに任せなければならない時期が訪れます。

「誰かに任せたい(買って欲しい)」と思っても、すぐに相手が見つからないというお話はよく聞かれると思いますし、また、「そういう(時間が掛かる)もの」と思われているかも知れませんが、実は、「何も準備しなければその通りですが、前もってポイントを押さえた準備をしていればそうではない!」のです。
『いつ承継するか分からないのに、準備って何をするの?』と、当然、思われると存じますが、非常に大切なお話ですので、今号にて考え方の整理をさせて頂きたいと思います。

そもそも、事業承継とは…?相手があっての話です!
事業承継のご相談として、最初に最も多いのは、「当院は幾らで売れる?」というご質問です。もちろん、クリニックの価値を算出する方法は色々とあるのですが、それ以前に、「売れる」というのは「買い手」があっての話です。
逆に、「先生なら、ご自身のクリニックを幾らで買いますか?」とお聞きすると、「開業してこれぐらいお金を掛けたし、毎月、レセ枚数もこれだけあるから…、最低でもこれぐらいで売りたい!」という「売り手」としてお答えされるのですが、そうではなく、「先生が買い手であった場合、ご自身のクリニックを幾らで買いますか?」、つまり、「ご自身のクリニックを、お金を出してでも承継したいと思いますか?」という「買い手目線」を持つことが、まずは、承継を考える上で重要なのです。

【承継を躊躇させる「不安要素」とは…?】
もし、先生に「このクリニックを承継しませんか?」というお話が舞い込んだ場合、まず、何が心配になるでしょうか?
これは、ほとんどの先生方が最初に聞かれますが、『財務内容の健全性』です。つまり、売上を上げてもお金が残らない体質であったり、不良資産が多かったり、簿外債務があったり、訴訟を抱えていたり…。中身が不透明で、承継後、お金に苦労する可能性があるクリニックは、まず選ばれません

次に、心配されるのが「マーケット」です。つまり、承継後、安定的に売上を上げることが出来るのか、ということです。
人口動態は当然ですが、それよりも、患者さんのほとんどが院長の「顔」で来院し、絶対的な信頼を得て成り立っている場合、果たして自分が承継した後、患者さんが離れていくのではないかと不安になってしまいます。もちろん、承継後に自分の患者さんを増やしていけば良いのですが、余りにも絶大な影響を持った院長の後は、なかなか選びにくいのです。

そして、見落とされがちな部分ですが…、「院内のマネジメントはどうなっているのか」が最も重要ではないでしょうか。
つまり、院長の言うことを聞かないスタッフがいる、お局的なスタッフが全て仕切っている、逆に院長が指示を出さないと何も出来ない…等々、組織に問題があると、承継後、マネジメントで苦労するのが目に見えています。実際、この部分の詰めを疎かにしてしまい、承継後、新院長を受け付けず何を提案されても前例等を持ち出して反対し、結局、スタッフ全員が入れ替わったという事例もあるぐらいです。

【それでは、そのために必要な準備とは…?】
お話を整理しますと、承継者に「買いたい!」と思ってもらうには、①健全な財務内容②院長だけでなく、クリニック全体で売上を上げる仕組み③良好な院内マネジメントが必要ということであり、承継に向けた準備とは、皆さんが現在も取り組んでおられるであろう、①財務改善②マーケティング③組織作りに日々取り組み、来たるべき日のために、クリニックの価値を上げておくということに他ならないのです。
財務問題や労務問題、売上を上げる工夫等、日々の「経営課題の解決」は苦労の連続と思いますが、これが、将来のクリニックの価値を高めることに直結しているとご理解して頂ければ、この苦労は必ず実を結ぶことと存じます。

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AMCパートナーズ株式会社は、M&A支援機関のファイナンシャルアドバイザー及び仲介業者として、中小企業庁に登録されております(登録番号:26095031)。事業承継やM&Aのご相談があれば、安心してお問い合わせ下さい。また、クリニック価値を高めるために、「リバイバル・プラン」もご用意しております。