
ホーム > クリニック経営情報 > 新規開業医の悲しい物語 > 第48話

9時5分頃、早速、自動ドアが開いた。
「こんに…ちは。」
花屋さんだった。開院祝の花を届けに来てくれた。
9時10分頃、2回目のドアが開いた。今度こそ患者さんだ!荷物を持っていない!
「こんに…ちは。」
またまた花屋さんだった。大きな花だったので、廊下に置いて入ってきたので手ぶらだった訳だ。
手に持っている「伝票」が「健康保険証」に見えてしまった…。情けない…。
9時半頃、3回目のドアが開いた。今度こそ…!!
「こんに…ちは。何だ、何しに来たんだよ!」
家内だった。子供が学校に行った後、心配して見に来たらしい。
こちらとしては、何か恥ずかしいところを見られたようで、つい突っかかってしまった。
「…、ごめんなさい。頑張ってね。」
そう言い残して中に入らずに帰っていった。
その様子を見ていた看護師の岡野さんが、「先生、それは余りにもヒドくないですか?奥様が心配して来られたのに追い返すなんて…」とたまりかねた様子で詰め寄ってきた。
「ウチのことなんだから、アナタには関係ないだろ?いいから仕事して!」
「患者さんもいないのに何の仕事をすればいいんですか?私は看護師ですよ!」
「…。」
「それに…、先生は何をそんなにイライラしてるんですか!」
「アナタには言っても分からないよ!今日の日を私はどんな思いで迎えたか…!」
「だからって、周囲に不機嫌をまき散らしていいというものじゃないでしょう!」
「誰がまき散らしてるんだ!」
とうとう、お互い、感情をむき出しにして口論となってしまった。
初日から何をやってるんだか…。