
ホーム > クリニック経営情報 > 新規開業医の悲しい物語 > 第38話

スタッフ募集は、ハローワークに「求人」を出したり、土日に折込チラシを入れるのが一般的だが、最近は、街によくある「フリーペーパー」や、求人誌にも掲載する。
現在は、なかなか人を確保するのが難しいので、媒体を増やすか、条件を吊り上げるしか方法はないが、平成16年当時は、折込チラシだけでも30人以上の履歴書が送られて来た。
「先生、この中で面接する人を選んで下さい。」
「選ぶんですか?全員面接しようと思っていましたが…。」
「何のために全員に会うのですか?履歴書の資格や経験である程度絞って会うのが普通ですよ…。」 佐川氏が言う通り、確かにそうかも知れない。
「しかし、縁があって応募してきてくれた人々は、仮にスタッフとして採用出来なくても、良い印象を与えておけば今後の大事な患者さんになる可能性もあるでしょ?」
「先生、あのね、どんな形であれ“不採用”になった人間が、いい印象を持つわけがないでしょ?そんなこと考えなくても、ここなら最低でも80人は来ると言ってるじゃないですか!?」
う~ん、確かに一理あるかも。正直、不採用になった人の気持ちなど知る由もない。あくまで推測だ。 ただ、80人も来るという事にそもそもの疑問があるんだが…。
「分かりました。それでは選んで面接しましょう。」
佐川氏の顔は、結局、自分の言う通りになるんだから、いちいち口を挟むなとでも言いたげな表情だ。
しかし、たったこれだけの事でも自分の意見を言うと何となく「自信」が湧いてくる。
さあ、明日は生まれて初めての面接だ!