
ホーム > クリニック経営情報 > 新規開業医の悲しい物語 > 第33話

見積書をさらに見ていくと…、何と、合計額が1,000万円を超えている。
“定価よりも安く購入出来る”というメリットがあるのかも知れないが、確か、医療器械・什器備品の合計で約520万円の計画では?
「佐川さん、これって…、大丈夫なんですか?」
常識的に考えて、500万円で済む話が1,000万円に膨れ上がると誰でも不安になる。
「根保証」じゃあるまいし…。
「先生、一部“リース予定”と書いてるでしょ?」
書類には全部目を通してからモノを言え!と言わんばかりのあしらい方だ。
「ま、500万円分をリースにしたところで、月々10万円ぐらいですし、5年で終わりますし、大丈夫ですよ。」
そうか、500万円が月々10万円で済むのか…、ん?ちょっと待てよ。
毎月10万を5年間支払えば、10万円×12ヶ月×5年=600万
100万円も多く払わなければいけないのか!
これじゃ、単なる「問題の先送り」ではないのか?
「…、100万円も余分に払うんですね…?」
「当たり前でしょう?500万円を5年かけて返すのと同じ理屈ですよ?当然“利息”がかかりますわ。」
そんな常識的なことを、わざわざ聞くな!というオーラが眩しい。
この時点で、リースについても複数社に“相見積”を取れば、例え1万円でも節約出来たのだが、当時の私にそんな知恵も勇気もなかったので、リース料10万円が決定した。
もし、現在の私ならば…、
自分の診療方針を決め、それに基づいて購入する物品・器械を自分で選択し、まずは買取とリースのメリット、デメリットを把握し、買取の資金を事前に計算した上で、どの器械をリースにして、どの器械を買取りにするかを決定する(このポイントについては紙面の関係上割愛する)。
税理士事務所には、買取とリースの「節税額」及び「資金流出額」の対比(当然、償却資産税を加味)、買取の残存価格における「除却損」等をシミュレートしてもらう。
(良識のある担当者なら、言われなくても出して来るが…)
さらに、物品購入の場合は、1社でなく、複数社の相見積を取るだろう。
これぐらい出来なければ、経営者にはなれない!と、当時の私にいってやりたい…。