
ホーム > クリニック経営情報 > 新規開業医の悲しい物語 > 第32話

もう既に、佐川氏が、どのような医療器械や備品を購入するか、販売業者に依頼を済ませている。
以前、軽く打ち合わせみたいなものをしただけだったが、その話合いが最終決定だったらしい。
「先生、私が動けば、びっくりするほど安くなりますよ!」
と、彼が言っていたのを思い出しながら、何気なく「御見積書」に目を通した。
| 診察デスク | 定価単価 | 100,000円 | 納入単価 | 70,000円 |
|---|---|---|---|---|
| 処置ワゴン | 定価単価 | 60,000円 | 納入単価 | 40,000円 |
ふ~ん…、まあ、びっくりするほどではないが、安くなっているなあ…。
本当は、もっと安くなるらしいが、その差額は佐川氏に流れていると知ったのは、ずっと後の話だ。
「どれどれ、あとは…、」
| 一般撮影装置 一式 | 定価単価 | 6,000,000円 | 納入単価 | 2,500,000円 |
|---|
安っ!!6割引?びっくりした!
他の器械も軒並みそれぐらい(3割引~6割引)のディスカウント率だ。
「あ、おはようございます!先生、もう来られてたんですか?」
佐川氏が販売業者と連れ立って入って来た。
佐川さん、これ…、スゴイですね!こんなに安くしてもらって大丈夫なんですか?」
販売業者がすかさず、
「先生、この値段は佐川さん価格です。他所ではこうはいきません。ウチはいつも泣かされてるんですよ~!」
そうなのか~、他所にはないメリットを自分だけは享受しているんだなあ…、と幸せな気分になった。