2007. 4. 23
結局、午前中の患者数は「ゼロ」だった。
あんなに宣伝したのに…。
内覧会では、ご婦人方が「必ず来るから」と喜んで粗品を持って帰ったのに…。
午後の休診時間中には、引続き花屋さんや、色々な飛び込みセールスマン、薬屋さんなどが相次いで来院。
更に、佐川氏も来た。
「先生、初日はこんなもんですって!いい休養だと思ってリラックスして下さいよ!」
リラックス出来るか!他人事だと思って…。
それよりも何よりも、一番驚いた来客は、“親父”だった。
そして、たった一言だけ言い残して帰って行った。
「何て顔をしてるんだ!今のお前に診てもらいたい患者はいないだろう…。鏡を見て出直せ!」
確かに…。鏡に写る自分の顔を見て驚いた。追い詰められた受験生のような顔だ。
そう言えば、午前中の自分は、スタッフを叱り付けるわ、ドアが開くたびにそわそわして落ち着きがないわ、
家内を追い返すわ、岡野さんとケンカするわ…。
もし、患者さんがこのまま永遠に来なければどうしよう…。
借金は?生活は?とマイナス思考のみが支配していた。
午後診療からは、気持ちを入れ替えて“にこやか”になろう。
いいじゃないか、今日ぐらい患者さんが来なくても。
明日があるさ!
スタッフには謝ろう。そして、もう一度頑張ろう!と言ってみよう。
そう思ってみんなが出勤して来るのを待っていたが、出勤時間の3時45分になっても誰も来ない。
「まさか…!」
案の定、全員がスタッフルームに「辞表」を置いていた。
もうすぐ午後診が始まるのにどうすればいいんだ!
明日へ続く・・・